焦燥

それは火曜日のことだった。
わたしは久方ぶりに焦燥感で心をかき乱されてしまった。
やりたいことに近づけてない焦りが体中を走る。
この時ほど、今が虚しくなることはない。


あまりにも焦ったわたしは、夜中だということをすっかり忘れて咄嗟に大切な人に連絡をした。
相手が寝ぼけた声で電話に出た。
わたしは心の内を話した。
相手は静かに相づちをうってくれた。
「そんなに焦らなくっていいんだよ」
そういってくれるのは分かっていたことだった。
でも、その言葉をこの耳でちゃんと聞いたら、一気に落ち着いた。